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営業秘密 ‐ case3解決バンク

雑誌に紹介された他者の経営ノウハウをまねたら?

 

経済新聞や経営者向けの雑誌には、企業の組織構成や人事管理、各種規程例などについて紹介されていることがよくあります。このように公表された経営ノウハウをまねて自社の経営に役立てることに何か問題がありますか?

 

【公表されていない経営ノウ八ウは営業秘密に該当する可能性がある】

他社の経営ノウハウがその業界にとっても独創的なアイデアで、そのアイデアにアクセスできる者が限定されていたり、部外者に情報が漏れないように十分な配慮が行われて管理されているような場合は、その経営ノウハウは他社の営業秘密に該当すると思われますので、そのような経営ノウハウを入手して、まねる等の使用行為は不正競争防止法により、差止めや損害賠償請求の対象となります。また、他社の営業秘密に該当するノウハウを他社従業員に依頼して、持ち出させる等した場合には(「社員が顧客情報を他社に漏洩したら?」参照)、その従業員の責任に応じて、依頼人にも、窃盗、業務上横領もしくは背任の教唆といづた刑事責任が追及されることがありますので、注意が必要です。

 

【他社の資料を複製して利用すると著作権侵害となる】

しかし、他社の経営ノウハウが経済新聞、雑誌等で公表されたものであれば、不正競争防止法の定める営業秘密には該当しませんので、それをまねても不正競争防止法上の問題は生じないと考えられます。そして、経営に関するアイデアや情報そのものには、たとえ、それが独創的で、それを考え出すのに時間や労力を費やしていたとしても、特許や実用新案、意匠、商標等の工業所有権のように所有者に独占的権利が認められる制度はないのです。しかしながら、他社の経営ノウハウを記載した会社案内、社内報、営業報告書、各種マニュアルといったようなものの多くは著作物であることには変わりありませんので、著作権者の承諾を得ずしてそのまま複製して、自分の会社で社内報、マニュアルとして配付する等すれば、著作権侵害に当たる可能性もでてきます。

著作権法では私的使用のための複製と引用の場合には、著作権の適用を制限するとしていますが、私的使用とは、個人的または家庭内、限られた人数の仲間内での使用に限って複製することを認めているという意味ですので、社内報やマニュアルを作成しようという会社規模であれば、おそらく、私的使用としての複製が許される範囲には当たらないと思われます。さらに、引用に関して、著作権法32条は「公表された著作物は引用して利用することができる。

この場合において、その引用は公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない」と規定しています。引用は無条件にできるということはなく、量的にも引用する方の著作物が主で、引用される方の著作物が従たるものセなければなりませんし、引用した著作物の出所を、その利用態様に応じて合理的と認められる方法および程度により明示する必要があるのです。それゆえに、経営ノウハウが記載された他社の会社案内、社内報、各種マニュアルといったようなものを、そのまま複製して、自社の社内報、マニュアルとして配布する等の行為は著作権侵害として、差止めおよび損害賠償請求の対象となりますので注意が必要です。

 

≪解決策≫

 

【公表された経営ノウハウ】

ご質問のケースでは、経済新聞や経営者向けの雑誌等に公表されている他社の経営ノウハウ(組織構成方法や、人事管理、福利厚生制度や品質管理制度等の経営に関するアイデア)をまねるということですので、その経営ノウハウが、不正鹿争防止法に定められている営業秘密の3つの要件(?秘密管理性、?有用性、?非公知性)のうち、?と?を満たすとは考えられません。したがって、公表されている他社の経営ノウハウは営業秘密に該当しませんので、それをまねて、貴社の組織構成や人事管理、各種規程などの見直しを行ったとしても、何ら問題は生じないと思われます。

 

【著作権侵害の可能性】

ただし、ポイントでも述べましたように、他社の経営ノウハウが記載された会社案内やマニュアル自身は著作物に該当することが多いので、まねるに際しては、そのまま複製して、貴社の社内報等に転載しないように注意する必要があるでしょう。そのまま転載すると著作権侵害に当たる可能性が出てきます。

 

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