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営業秘密 ‐ case1解決バンク

独自の仕様で発注していた製品と同一品を下請け会社が勝手に製造販売していたら?

 

当社の下請会社として、当社独自の仕様で製品を製造させていた会社があります。現在、取引関係はないのですが、この会社が当社のかつての発注品と同じものを勝手に製造販売していることがわかりました。この行為に対して何らかの措置をとることができるでしょうか。

 

【正当取得者の不正利用行為】

不正競争防止法2条1項4号は、営業秘密の不正取得行為や不正に取得した営業秘密を使用したり、開示したりする行為を不正競争行為と位置づけていますが、2条1項7号は、営業秘密の保有者から営業秘密を正当に取得した者が、その営業秘密を不正の競業その他の不正の利用を得る目的で、あるいは保有者に損筆を加える目的で使用し、開示する行為を不正競争行為と規定しています。企業から営業秘密を開示された従業員等が、ライバル企業にその営業秘密を開示してしまう行為や、企業からライセンス契約により製品の製法についての営業秘密を開示されて製品を製造するライセンシーが、その営業秘密を他社に開示してしまうような行為等がこれに該当します。

 

【契約上の義務違反を理由に損害】

賠償請求をした方が有利な場合もちろん、営業秘密を開示する場合には、相手との間に守秘義務や一定の範囲を超えて営業秘密を使用してはならない等の取決めをなすことも多いでしょう。そのような約定が存する場合には、不正競争防止法によらずしても、契約上の義務の履行として使用の差止めを請求したり、債務不履行として損害賠償請求を行うことができます。不正競争防止法では、営業秘密の使用行為に対する差止請 権が時効または除斥期間の経過により消滅したときは、その後の使用行為から生じた損害軒こついては損害賠償請求をすることができないと定められていますので、相手との間の法律上や契約上の義務違反を理由とする損害賠僕請求が可能な場合には、不正競争防止法によらず、むしろそちらに基づく請求を行う方が有利な場合があるといえます。

 

【正当取得者の不正利用行為】

ご質問のケースの場合、元の下請は貴社の営業秘密を取得するに当たって、貴社との下請関係において、営業秘密を取得したのですから、不正な取得行為を行ったのではありません。ただ、貴社との取引関係が終わった後に、貴社から取得した営業秘密を使用して、勝手に製造販売していることが問題となるのです。
下請契約においても、営業秘密の保護に関する取決めがなされることが増えてきてはいます。仮にそのような約定がなかった場合であっても、不正競争防止法は、その2条1項7号において、営業秘密を保有者から開示された者が、不正な農業その他の不正な利益を得る目的で、またはその保有者に損害を加える目的で、その営業秘密を使用したり、開示する行為を親制していますので、下請会社やかつて下請契約やライセンス契約を締結していた会社、従業員および既に退職した元従業員が取得した営業秘密を勝手に自己のために使用する行為は、不正な農業や営業秘密を保有している会社に損害を与える目的を有する不正競争行為として、差止めや損害賠償請求の対象となる可能性があります。

 

【混同惹起行為】

また、不正競争防止法2条1項1号は、他人の商品表示として、需要者の間に広く認識されているものと同一もしくは類似の商品等表示を使用し、またはその商品等表示を使用した商品を販売して他人の商品または営業と混同を生じさせる行為も不正競争行為としています。商品等表示とは、商品の出所または営業の主体を示す表示を指し、具体的には人の業務に係わる氏名、商号、商標等がこれに当たります。商品の形態は、本来は商品の出所を表示するものではありませんが、商品の容器・包装等と同様に商品の出所を示すものであると認めた判例もありますので、取引関係終了後も貴社の発注品と同一のものを製造している会社の行為から、その会社が依然として貴社の商品を製造しているかのような混同が生じるのであれば、その行為は不正競争行為に該当するといえるでしょう。

 

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