Bookmark this on Google Bookmarks

Home » 半年後にきっちり起業! » 社長さんになったら(2)

社長さんになったら(2)解決バンク

2009年10月31日 category : 半年後にきっちり起業! タグ: , , , , ,

前回から3回にわたり、アイ・ポート埼玉代表 五十田三洞の、かつての雑誌連載記事を掲載します。

独立起業を目指す方、社長として日々邁進している方に向けて、世の多くの社長さんが抱える問題点の解決方法や社長さん方の苦労話を書いたものです。

連載コラムのタイトルは、「社長さんになったら」。
今回は第2回です。どうぞお仕事などにお役立て下さい!

 

--------------------------

『社長さんになったら』第2回

■やりたいことをやるんじゃなければ、
社長業なんてやってられませんよ

--------------------------

理想的な仕事とはいったい何かということを考えてみ
ると「金持ち父さん、貧乏父さん」のロバート・キヨサ
キが言うように「自分の手を使うのではなく、他者に投
資して暮らす」ということになるのかもしれません。

こうした人は結構実在するのでしょうが、我々のよう
な下々の世界には降臨なされないようで、私もついぞお
目にかかったことがありません。

さて、では社長さんという稼業はどうかというと、大
企業のサラリーマン社長さんならいざ知らず、世の多く
の中小企業の社長さんは「他者に投資して暮らす」どこ
ろか、何から何まで自分の手でやらなければならない。
トイレットペーパーの補充まで自分の手でやるようなケ
ースがほとんどなんですね。

ある機械工場の社長さんが言ってました。
「大企業の社長だったら、若くて綺麗な秘書でも付ける
んだろうけど、ウチは疲れた顔したカアチャンだしな。
社用車でお迎えどころか自分でバンを運転して配達だろ。
それで人生の大半の時間を使って、家屋敷も抵当に入れ
て、従業員の生活まで背負ってやってんだから、ホント、
割に合わない稼業だよなー」

かように社長さんとは大変な稼業なんですよ。

まさに「男はつらいよ」に登場する「たこ社長」なん
です。時代背景は変わっても、中小企業の社長さんの実
態は変わっていないんですよね。

それなら、なんでそんなに割に合わない稼業をやって
いられるのかというと、その社長さんいわく
「でも、オレ、基本的に機械つくるのが好きだからな。
小さい頃から、この家でオヤジが仕事してるの見てて愛
着もあるし。まあ、結局は好きだからやっていられるん
だろうなー」

社長さん、文学青年のような遠い目をしてそう答えて
くれましたよ。やはり、成功のためには「大抵のことに
も我慢ができる好きな道」を選ぶ必要があるのだと実感
した次第でした。

ここで、まったく逆の悪い例をひとつ。あまりに低レ
ベルの話で恐縮ですが、まあ、落語の与太郎噺だと思っ
て聞いてください。

先日、少々用事があって、かつて勤務していた会社に
顔を出したんですよ。すると、一人の後輩が近寄って来
て、いきなりこう言うんですよ。
「先輩、いい転職先、ありませんか?」って。

それを会社のロビーで、声をひそめずに言うんですか
ら、こっちが慌ててしまいました。だって、元居た会社
で社員の引き抜きでもしているかのように思われては大
変ですから。

「でも、今時はどこも求人なんかしていないんでしょうね?」

実際はそうでもないんですよ。だって、私がいろいろ
な会社に顔を出すと、社長さんから「いい人、いない?」
ってよく聞かれますから。

で、私がそう言うと、
「えーっ、本当ですか!じゃあ、是非お願いしますよ!
ホント、先輩だけが頼りですから!」

昔から仕事はできないくせに調子だけはよいヤツなん
ですが、まあ、こっちも用事は済んだので、一応は話を
聞いてみようかと思ったんです。
「でも、なんで転職したいの?」
「だって、ウチ、給料安すぎるじゃないですか……もう、
やってられないですよ!」

実際、どのくらいの給料なのかはわかっていますが、
その金額、決して高くはないのですが、間違っても安く
はない。ごくごく世間並みといったところなんですけど
ね。ですから、
「そんなこと言ったって、急に収入が増えるなんて都合
のイイ転職先なんか滅多にないよ。どこもそんなに変わ
らないんだから」
「そうですかー?でもウチよりはいいでしょ?」
「そんなことないよ。ここが特別安いってことなんかな
いよ」
「そんなことないと思うんだけどなー」

信じないのなら聞くなっていうんですよ!で、こう
続けるんです。
「それに、今の仕事、もうそろそろ飽きてきてますし」
「そりゃそうかもな。飽きないほうがおかしいからな。
で、何やりたいの?」

一体どんな答えが返ってくるかと思っていると、
「別にないんですけどネー」なんてシラケた返事。
「別にないんなら探しようがないだろう、会社だってい
ろいろあるんだから。せめて業種ぐらい“これがやりた
い”ってのないの?どんなところに転職したいのよ?」

するとその後輩、煮え切らない態度から一変して、は
きはきと、こう答えたんですよ。
「まず第一に、残業がない。5時なら5時で、キッチリ
帰れる。その次に仕事が楽。営業とか、もうやりたくな
いんですよ。会社の中に居て、言われた作業をやってい
ればいいところ。それで最後に、今より給料がイイ。こ
の条件だったら、すぐに転職しますよ」

私、あきれて物も言えませんでしたよ。そんな都合の
イイ職場があったら、私だって入社したい。おまけに、
「小泉さんがなくそうとしている特殊法人みたいなとこ
ろって、きっとそんな職場なんじゃないですか?そうい
うところで人を募集してませんかね?……しかし、小泉
さんも、そういうイイ会社を無くそうなんてのは良くな
いですよねー」

以前から馬鹿なヤツでしたが、何年経っても馬鹿は馬
鹿のままでした。こんなヤツ、人を探しているところが
あったって、絶対に紹介できませんよ。私の信用にかか
わりますからね。

お読みの方も、いまだにこんな意識で社会生活を送っ
ている人間がいるんだなー、ダメなヤツだなー……とお
思いでしょうが、実は、似たような状況で起業・独立を
考えてしまっているケースって、非常に多いような気が
するんですよ。

フランチャイズ店の債権回収を仕事にしている人がい
るんですけど、彼が、こんなこと言ってたんですよ。
「フランチャイズ店の店主さんて、その商売がやりたく
て開店したわけじゃない人が多いじないですか。それで、
アルバイト代を節約しようと夫婦で12時間交代で店に
出て、食事は常に売れ残りの弁当。それでロイヤリティ
も払えないとなったら、ホント、やめたくなっちゃうの
も当然ですよ」

納得の一言ですよね。
色々な社長さんを見ていると、起業・独立に際して最
も大切なことは、おそらく「何をやりたいか」だと思う
のです。利益とかアイデアとかはその次の問題だと絶対
に断言できますね。いささか理想にすぎるような言葉に
聞こえるかもしれませんが、経営コンサルタントとして
ドライに見ていると、どうもそうとしか思えないんですよ。

ですから、まず独立ありき、開業ありきじゃなくて、
何をやりたいのか、一体どんな仕事なら少々の辛さも楽
しさに変えられるのかを、よーく考えてみる必要がある
と思うんですよ。社長さんになると、ホント、色々と大
変なんですから。


Sponsored by

Copyright(c) 2009 解決バンク All Rights Reserved.