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日本酒のラベルと筆文字の評価解決バンク



アイ・ポート埼玉代表、五十田です。

この写真は、ウチの店内の花見の風景。
写真の男は、さいたま市で最高の部類に入るBAR「ハングオーバー」のマスターの村田君です。

イイ感じに酔ってます。

酒好きが高じてBARのマスターになったのですから、「好きなことを仕事にする」の典型でしょう。
そうした意味では、後輩たちから見ればカッコイイ先輩であり、女性を連れて行けば、「落ち着いた感じの真面目そうなマスター」との感想をいただきます。

ただし、写真の状態を超えると、記憶喪失の乱暴者に変身します(笑)。

さて、昨日、酒に関する新聞記事(私が見たのですから、もちろんスポーツ新聞)を見ました。

日本酒「菊水の辛口」がラベルを変更したというものです。
事件性も話題性もないニュースですが、結構なスペースを取って紹介されていました。

そこには、「筆文字ブーム」という言葉があり、その影響もあって、ラベルの筆文字を思い切って変更したという内容になっていました。

私のような数少ない専門家から見ると、日本酒のラベルの文字というのは実にお粗末なものが多いのです。
「これはイイな~」と思えるものに出会うことは滅多になく、大抵は、「近所のヨレヨレのばあさんの書道の先生に書かせたんだろ」としか思えないものばかりで、「こんなんじゃ、折角作ったお酒の中身まで疑われちゃう……ってことが……ワカンナイんだろうな~」と思うのです。

小さなラベルの中に、どう見てもマッチしない違う書体の筆文字が混在しているものすらたくさんあります。
これは、フレンチのコースに味噌汁やイカの塩辛が出てきちゃうようなものです。

書の素養がないのは全然構わないけれども、折角の商品なのだから、きちんと分かる人の意見ぐらい聞けばイイのに……と、見ている方が悲しくなったりもしてしまうのです。

その点では、「菊水の辛口」 のラベルの文字は、新聞紙面で見た限りでは、きちんと仕上がっておりました。

しかし!……なんですよ。

筆文字ブームだの、筆文字に興味を持つ人が増えただの、スッキリと上品な書体にしただのといったことがつらつらと書かれ、取り扱っている居酒屋店主のコメントまでたっぷりあるのに、その筆文字の作者については、どこにも書かれていないのです。

ホント、結構なスペースなんですよ。
広告関係者ならわかると思いますが、5段1/2ぐらいのスペースなんです。
その囲みの中に囲みが3つぐらいある記事なのです。

だから、スペース的には、作者の名前ぐらいは充分出せるのですが、でも、どこにも書いてない……。

ブームだの何だの言っても、こんなものなんですよね。

ポスターのイラストや写真や、会社のロゴだったら、ここまでのスペースの記事にするのであれば、作者とか写真家とか制作会社が必ず書かれると思うのです。
でも、書だと作者名も出ない。
作者が書家じゃなくて、単なる有名人だったら、いたずら書き以下のシロモノであっても、名前が出るでしょうに。

書家だって、有名な人なら名前が出るのだろう……と思う方もいらっしゃるでしょうが、しかし、一般の方が知っている 「有名な書家」なんて、ほとんど居ませんからね。

だから、ブームなんて言っても、それはただマスコミがそう書いているだけで、実際には存在しないのですよ。


まあ、ブームなんてものは、存在したとしても一過性のものですから、存在しないほうがマシということも多々あり、それはどうでもイイのです。

そして、書が評価されないのはひとえに作り手の問題であり、自分の頭で考えることを放棄し、システムにぶら下がって、わずかの金銭と幻影でしかない名誉を得るだけの人が創る物に対して、世の人々が価値を見出さないのは、当然のことなのでしょう。

そう思えば、私ももっと書かなきゃな~という衝動が沸き起こるし、三洞カレンダーはなかなか自信の持てる仕事であり、今年こそ早目に書き始めて、もっとよいものを創ろうという気にもなれるのです。

そうした意味では、とても役に立つ新聞記事でした。

ちなみに。

先程、一般人でも知っている有名な書家なんて、ほとんど居ない……と書きましたが、それを考えると、私、結構、有名人かもしれません。

かつて一度、山手線の中で、「失礼ですが、三洞先生ですか?」と見知らぬ女性から聞かれたことがあります。

また、生命保険のセミナー後の懇親会の席で、名刺交換をしたら、「あれ? イソダ先生は、カレンダーの三洞先生と同じ人なんですか?」と変な聞き方をされたこともあります。

ということで、どこかの酒造メーカーさんからラベルの仕事が来ることを願っている私です。
もちろん仕事に困っているわけではございません。常にいっぱいいっぱいの状態ですが、酒好きの書家としては是非一度はやってみたい仕事なので。
「越後のこしひかり」「新潟のこしいぶき」と、酒の原材料である米のラベルは書いたことがあるのですが……。


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